― 12年前、いつかの出来事 ―
[幼い頃は兄ぃと呼び、いつからか旦那、などと呼ぶようになっていた相手。
ずっと父一人子一人の環境で育ち、ここに来てからも同世代の中では年長だった少年に取って、ぶつかって受け止めてくれる年上の存在は他とはまた違った位置づけにあった。
傍目には、そうは見えない事が多かったかも知れないけれど。
父の目には、少年が甘えている事が見てとれていたのだろう。
直接教えを請われる事なくとも、何かの折に助言めいたものを投げていた>>4:343のは、そんな不器用な我が子を受け止めてくれる者への感謝の現われで]