[ただ、淡々と付け足した。] まぁ、策は極力使うものではないさ。 ともすれば “『策士策に溺れる』とも言う〔立てた本人をも弄するから〕” 。 …まぁ、宮中で策を労し始めた時点で。 現状は “御察し” というところか。[実のところ、それよりは前から見限っていた事の片鱗はおくびにも出さない。「用が済んだなら」、と俺はそそくさ立ち去った。諜報者がそう王宮内で目立って良いものでもなければ、個人としても目立ちたくはなかったからだ。いくら人通りの少ない、そんな所を歩いているとは言っても。]*