あ、ちち違うんです、治療は……終わってて。
血が、まだ残ってる、だけ……。
[手のひらで肩をごしごしと擦れば、傷口が癒えていることは伝わるか。]
あの……第二の試練、のことは訊いた、んですけど……
……人狼、って、何なんでしょう?
人に化ける、狼……が、この中にいる、ってこと……?
『…………。』
[そう、契約者は“人狼がどういう存在か”については、全く触れていない。
目の前の男性から説明されるか、それとも“彼女”から聞かされるか。いずれは知るのだろうけれど。]
そ、そう、ですね。ちょっと変わってる、かも。
[流石に“本名”までは明かせない。
うさぬいの言っていた“不都合がある”の意味は、おぼろげながら理解できてきたから。]