「たっく、もう! ローレルってばこういう時に限ってお姉ちゃん風吹かせるんだから!」
[思いがけない姉の行動に戦闘・脱走予定がガラスを地面に叩きつけるように粉々になってしまった。
仕方なく頭に埋め込まれた高速処理チップをフル回転させ、新しい情報収集を元に、戦略を組み立てて――]
「……え?」
[その情報は本来ならハッキングして初めて閲覧可能なセキュリティレベルの中に存在していた。
それをたまたま白英は開いていしまったのだが、ウィンドウが開いた瞬間、珍しく白英の志向がフリーズする]
(まって……。これって三日前の情報でしょ? しかもこれは高セキュリティに守られてるんだから、かなりの重要情報。
でも、この情報ってドクターには必要なものなのに、私達に出撃命令を出す時にはドクターは知らなかった……?)
「いえ、知ってて送り出した?」
[もしそうなのだとしたら、ドクターの狙いとはなんなのか?
止まっていた手を再度動かし、戦闘情報を処理しながらも白英は考え続けていた]