[そして、オットーの口から飛び出した言葉>>99を聞いて。
いよいよペーターは、色を失ってしまった。]
そ、んな……
[顔面は、最早青を通り越して真っ白だったことだろう。
指先からつま先から、全身ががたがたと震え出して、呼吸が荒くなる。
心臓が早鐘のように動いて、ペーターは、もう居てもたってもいられなくなって、席から立ち上がった。]
…ごめん、教えてくれて、ありがとう。
僕、もう、行くね。
[例えオットーに制止されたとて、その声は今のペーターに届きはしなかっただろう。
振り向きもせず、ペーターはパン屋を後にした。
ただ、行かねば、と。
家に、戻らねばと。
そればかりがペーターの頭の中にあった。]