[その頃違う意味で頭を抱えていたヒッツェシュライアー教官はバルタザールの教育に一つの答えを導き出していたようだ。
それが他の精霊師の生徒たちが瞑想をしているときに行われる筋トレであり滝行である。基礎を疎かにした覚えはないが、同時に深く見つめあうほど根を詰めてもいなかった。
見つめるべきは己自身。
精神を落ち着かせ盟約した精霊と向き合い、最古の言語を発するには如何にすべきかを知り語りかける時間。―――筋肉から答えがかえってきた。
そうか、これを教官は知っていたのか!
細かいことはともかく、筋肉には多くの可能性が隠されているのだと知ったのだ。
同時に、教官は肉体の神秘を知る人と認識され多大の誤解を抱くことになったり、そのせいで筋トレ同好会>>95なるものから顧問になってほしいという話がいったらしいが、大きい問題ではないだろう?*]