お恥ずかしいことに書類はどうも書慣れなく。 元々がそそっかしくて助かります。 ああ、いや。[軍人像との落差からか、音読する間も彼女をじっと見てしまっていたらしい。私は灰色に濁った曇天に掌を向け、薄暗くてと前置いた。] 埃があったかと思ったけど、気のせいだったみたいです。[心意はともかく彼女の声に明るさが戻るのを見れば、肩の力が抜けた。頬も自然と緩んで無理のない表情になるのを自ら感じる。私は魅力的な提案に首肯いて、先導する彼女の後をついて行った。]