[かつては双子として、自らと魂を分かち合った相手もいた。だが、今はもういない。少年にとって、“死”は無縁の存在ではないのだ。だが、それも村一つとなれば、話は違う。物語で見た“人狼”の存在と、ゲルトの言う実在する村での被害と。両方が頭の中でぐるぐると駆け回る。] ……あとで、図書館で調べてみようかな……。[幼い頃に読んだ本が、いまだ残っているかはわからないが。他にこのぐるぐるを解く手がかりがある訳ではなく、ぽつりと呟くのだった。]