[一体なんだったんだと首を捻っていると、ズボンを引っ張られた。ジムゾンに似た子供がいつのまにかこちらに近づき、もみじのような手を伸ばしてきたようだ。]
「でぃーたー」
[自分へ呼びかける声と、その言い方から子供の正体はやはり幼馴染であると察する。その体をよいしょと抱き上げ、男性がいた方向へ声をかける。]
あんたが何者かは知らない。だけど、こいつは俺がずっと守る。
[誰が何と言おうとも、これだけは譲れない。そんな強い意志を込めて。
翌日起きた男は、この夢を完全に忘れていた。
けれども、次第に寝起きが改善されてきたジムゾンへ、毎朝おはようと微笑みかけ続けるのだった。*]