ああ、すまない。邪魔をしたね。この人の意識が戻ったら、連絡をくれないか?それまで、頼むよ。[衛生兵に向け、殊更に彼を頼むことはしない。助けてやってくれと頼むこともしなかった。それは彼らの仕事であり、言われずとも全力で務めを果たそうとしていることは見れば分かる。だから頼むとのみ言い置いて、その場を離れた。かつて見たとは違う血の気を失った顔に、また一つ重い息が零れた。]