―宿屋前―
……オットー
[どのくらい佇んでいたのか。人の気配をして振り返れば>>99、そこにはオットーの姿があった。
この騒ぎが起きてからも、彼の表情の乏しさは変わらない。何をどう考えているのか、その表情からも言動からも読み取れない]
済まない、みっともないところを見せた。
オットーは――
[どう考えている?と尋ねようとして、口ごもり、代わりに尋ねたのは別のこと]
ヨアヒムがどこにいるか、知らないか?
話したいことがあるんだ。
[いつも『期待』に答えてくれていた彼だから、彼の居場所も知っているのではないかという淡い期待を乗せて問うた。
答えが得られても得られなくても礼を言い、体が冷えたからと一度宿に戻る]