― 戦場:上空 ―
[>>60……ああ。この子供は、本当に何も知らない。
レナーテの名を知らぬと言われれば、更に表情が強張った。]
――……戦など、互いの都合の押し付け合いだろう?
[>>61聴こえた声に、返す声は固く。
都合や懸想、利害や理想。己の周りには、そんな物が多すぎる。
生まれてから、今までずっと。愛を求めど、扱いは道具。
血の繋がりは、自分を縛り盾とする物でしかない。
……剣を握りしめるが。愛竜は、微動だにする気配がなく。
>>62>>63対峙する少年が、仲間から何かの報を受け羽ばたく様子を、ただ、見守る他無くて。]