―学校跡地周辺・某所―[砂混じりの風が吹いていた。乾いた想い出の名残に相応しい、当たればチリチリと肌が痛む…厄介な風が。眸を守るように瞼を閉じる。大気の揺れる音。枯れた草が靡く音。自然が奏でる音色はどちらも大きいものではなく、静かな声の羅列>>84が、砂風のように鼓膜を叩く。その姿>>85は、ともすれば其の侭消えてしまいそうで…]