[だとすれば、少なからず緊急性に欠く事であったのは疑いようもない、と思いながら。
その元々が、金山の位置を調べ上げた地図である事は俺の知るところではなかったのだ。
移ろった話題の内に態々紛れ込ませるように言う言葉は、ただ、先王を褒め讃えるだけの意味ではないのだ。
「公文書を書いている素振りを見なかった。」
それの言葉をどう解釈するかなんてものは知った事でもなければ尋ねる訳でもない。
首を傾げられたのに倣って僅かに傾けるが、それは一瞬間の事だ。
そもそも、彼を食えない人だと解釈しているものだから、尋ねたとしてその意図を知れると思えないのだ。
次期王の行き先なんて漂う風には関わらぬ事、と無関心なのが、自由に見える所以だろうか。]
人の上に立つ身ではないからですよ、
気儘であれるとは持たない事です。