― 王国軍野営地より北東へ ―
[割り振りが完全に決まれば、兵役軍人と義勇兵を混合したセルウィンの隊は出立した。
両軍の陣地を結ぶ直線よりやや北側に、疎らではあるが森がある。
隊はこの森の木陰に身を隠す形で進行した]
[途中、投石や弓矢などの遠距離担当が隊から別れ、案内役の指示で小高い丘へ向かった。
セルウィン含む近距離武器の一団はそのまま森の中で身を潜める]
遠投隊は、場所取りでは有利でも敵からは丸見えだ。
だから敵が戦力をそちらへ割く素振りが見えたら、無理せず引いて次のポイントに移動しろ。
分断された兵を横合いから突くのはこちらの担当だ。
[遠投隊を率いる小隊長と連携を確認した上で送り出す。
そしてセルウィンたちは、近付く足音を待った**]