― 西五区 ―
ん、ありがたくお借りするわ。
それじゃ、またね?
[彼女はブラットを連れ立って、鼻歌交じりで通りを歩く。
両の手は引き金に指をかけたまま、時折襲ってくる異形獣を撃ち抜いて。
しばらく後、どこからか聞こえた旋律>>50は、ある融合体を思い起こさせるもの。]
あははー
……月夜のお散歩にBGMまでつけてくれるなんて洒落てるねー。
[口元は笑みを浮かべるも、瞳は笑ってはいない。
事前にもらっていた、この地区にいる可能性のある融合体の情報。
その中でもとびきり厄介な相手。]
出来りゃSランクに任せたいけどねー。
……ま、遭遇したらそん時はそん時、か。