[そうしてカタリナと話している時だっただろうか。パメラとアルビンがパン屋のドアを開けた>>76]
ごきげんよう、パメラさん。奇遇ですね?
[教会の飾り付けを手伝ってくれる筈だった彼女とここで会った事に、くすくすと笑う。
傍らにいる男性…アルビンはあまり見慣れない顔だった。
ただ、行商人といった風貌には心がざわつくのを感じる]
(ま、都っても広いトコロだったからな……)
[ご贔屓にしてくれた客がよく行商人を連れて来てくれたが、その中にあの様な年若い男はいなかっただろう。
よくも覚えていない事を、さも覚えている様にして、女は内心の不安を笑顔で押し隠して、アルビンにも会釈をした事だろう]