[ 襲いくる小鳥を振り払おうとした時、その正体に気がついた。
真っ二つに切り裂かれた黒い羽
それは紛れもなく、魔族となった相手のもの。
触れてはならない存在に、触れてしまったのだと気がつけば、足元から力が抜けていく。
崩れ落ちそうになるのを堪え、震える手で小刀を握り直そうとして]
………っ!!
[ 動かした右の手は紛れもなく自分のもの。
けれど指の細さも、掌自体の大きさも今までとは違う
慣れ親しんだものより、ひとまわり小さな掌。
それが意味する性別―――女性へと
変化しつつあることに気がつけば、当惑した視線を相手へと向け]
なん、で……
[ カラン。と、武器が地面へ転がった**]