人狼物語−薔薇の下国

263 修学旅行試験


皇 大河 タイガ

[転校という急激な変化に、衝撃を受けなかったわけではない。
けれど子供は順応が早いものである。
新しい土地、学校でもすぐに友達ができた。目まぐるしい変化の中でも、充実した日々を送っていたと思う。

けれど、ふとした瞬間。
小学生のあの頃を思い出すのだ。弟のように可愛がっていた、炉の姿を。

高校進学と、父親の再婚を機に。それらしい理由をつけて、単身、小学校の頃に居た街へと戻ることを望んだのも。
思い出の中にずっと、燻っているものがあったからだ。


――――ただし。
年月を経て美化されかけていた思い出は、程なくして現実をつきつけられ無残に散ることとなったのだが。]

(100) 2014/10/16(Thu) 23:24:17

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