― クロイツ邸近く ―[無慈悲なスタートを切り、無慈悲に道を駆け抜ける。 だがその足を止めるのは、見覚えのある姿があったから。 昔はアードもアランも慕ってくれた子供も、もう立派な騎士である。 >>93 目礼をする彼の前で、ブレーキをかけて踏みとどまり] やぁ、シェルティ。[出会ってからどれほど立つだろうか。 大人の宴に、子供は子供たちで遊んできなさいと言われたあの日からだろうか。 未だ吟遊詩人など正体ない仕事をやり、ルールもケジメも無用の傾奇者であった]