―後日―[甥が階段から落ちて意識不明だと、兄から聞いたのは、数日経った後。強く握られた拳が、的確に兄の頬を捉えたのは、言うまでもない。既に目の治療に向けての準備が進められる最中。それでも、親友の紹介で世話になることになった医者と話し合いながら、甥の見舞いの時間を作り、度々病室へと足を運んだ。]