『そんなに王国より外界が大事か』――…。
異国を目指した、彼の卿を罵る時の、先代の口癖だ。
その様に、我が父に歩み寄る姿勢が無かった事と、我がアレイゼル家とクレメンス家の格式が丁度凡そ同等である事から。
自然と、今回のオプティモの様な表立つ貴族間対立は、両家間が多くてね。
[紅茶から立つ暖かな湯気を眺めながら、語る言葉は続く]
先代は結局、最後までクレメンス卿の心は王国の外にあると考えていた。
私は、そうだな。私個人はクレメンス卿に敵意は無かったつもりだが。
然し、父親の影響は少なからず存在したらしい。