[彼が『どちら側』であるかは、議論の情報としては結局最後まで分からなかった。いまこの場にいて、あくまでも村側の一員として振る舞っているところを見れば、本当の占い師だったのだろう。
けれど、彼が『どちら』であったとしても――いま、こうして向かい合えば]
いてくれて良かった。夢が叶う前に、君たちの顔を見ておきかった。
お礼を言いたいことなら、たくさん。
ずっと、いつも、助けられてた。『議論』のこともそうなんだけれど……なんだろうな……うまく言葉に出来ないや。
コッペリア、料理は苦手。だから、ちょっとは教えておこうと思ってさ。
[差し出されるカップを、礼を言って、両手で受け取る。その一瞬、コッペリアは動きを止めただろう。
そのまま口に運び、一口、二口。よかった、うまく淹れられた。
議論で喉が渇いていたのはどうやら自分だったようで、十分に喉を潤し、息を吐いた。*]