[龍は周囲の霧ごと、その長い胴へ息を吸い込む。幻術の素でもあろう霧を身体に入れ大事ないのもまた、あの獅子の守護の力であったかもしれぬと男は思った。弾けるような音が、鳴丸の口元から漏れる。十二分に雷気を蓄え、龍は周囲を見回した。何処に打つか、考えるように。]目で追うな。お主が一番不快だと思う場所、そこ中心に狙うといい。[おそらくそこに使い魔は群れているだろうと、男は言いながら、言葉だけで指針を示す。]