何をする気だ?
[ 問う聲が、些か剣呑なのは、許されていいと思う所 ]
天に、魔軍を運ぶ?
[ やがて、魔王の企みと、それに乗ることにしたらしい異界の勇者の言葉を聞くと、竜は僅かに身をくねらせ、右の頭が溜め息めいた聲を零した ]
相変わらず、悪趣味だな、魔王。
[ 揶揄するように言いながら、竜はその爪から紫色の光の珠を作りあげる ]
だが、止めても止まりはしないだろう。
瘴気纏う魔軍をそのまま船に乗せるのは無茶だ。
この中に詰め込んで、あの船の砲にでも撃ちあげてもらえ。そこの、魔導兵器が先導すれば天界にも届くだろう。
[ 告げて、後は勝手にしろ、と、ばかりに、魔力で作られた光の繭......実はディークを捕らえていた光に闇の魔力を混ぜ込んだものだ...を地上に放る ]
地上に残った者がいれば、俺達が滅する。
[ 最後に宣したのは、それが魔王自身であっても、という意を含んだ言葉** ]