じき日が暮れる。 まだやるというなら付き合うが、[突き飛ばした拍子に、首元から金色のものが零れかけた。ゼファーではまず見られない金細工の護符だ。惰弱と奢侈を嫌うゼファーの民は、普通装飾品を身に着けない。素早く元に戻されたから、見えたのは一瞬だろう。] 生き延びたことを喜ぶ時間も あってもいいと思わないか?[かすかに聞こえる高音は、鳥の声だろうか。さて。いずれにせよ借りは返したと、運命の女神共の高笑いを聞きながら片頬を上げた。*]