ー狼となった羊はー
[部屋の中で対峙する]
まず。少尉。
僕はあなたが犯人だと、知っています。
目撃していますし、本部は僕の言うことを全面的に信じます。
[彼女はどんな顔をするだろうか?]
落ち着いて聞いてください。
僕のズボンのポケットに、狼化病の進行を一時的に止めるアンプルと、本部に渡してほしい手紙を入れています。
アンプルは皮下注射です。僕の体重に合わせているので、あなたには若干濃いと思いますが。
構わず全量打ってください。
それで、一時的ですが進行は止まります。
手紙は…。あなたを助けるための嘆願書です。
階級高い人を殺ってしまってるので多少のペナルティはあると思いますが。
粛清は避けられるでしょう。
今更、命乞いなどしませんが。
自殺志願者ではないから抗わせてもらいます。
そして、命と引き換えに、僕の願いを聞いてほしい。
[銃を構えながら、ドロシーの目を見据え]