[わたしは赴任早々、手痛い洗礼を受ける事になる。
恫喝を受け厳しい口調で命令され、直立したところで足を踏まれる。>>93
思わず痛みによろめいたところを、顔面に向けて蹴りが飛んでくる]
────!
[咄嗟にかわそうと思えば躱せた。しかし、わたしは敢えて顔面に蹴りを受ける。
鼻は折らぬよう、歯を食いしばって口の中を切らぬように、一瞬でわずかに角度は変えてしまったけれど。
衝撃と痛みに頭が揺らぐ。何とか意識を保ったままたたらを踏み、倒れないように堪えた。
腫れた頬はそのままに、顔を上げて総督の顔を真っ直ぐに見返す]