― 1年前 ―
ああ、もう坊主って年じゃないのか。悪いな、どうも外の者の年齢は判りにくい。
[ 坊主、という呼び方に>>71相手が機嫌を損ねたらしいのを、単に子供扱いされた事への不満と受け取って、男はそう言ったが、悪いと言いながらもその唇には抑えきれない笑みが浮かんでいた ]
確かに俺は、この地を護る一族の者だ。「人」じゃないがな。
ここは禁域ってわけじゃないが、見た通り危険な場所だ。余所者が安易にふらつくと怪我じゃ済まないぞ。
[ 咎めだてるように聞こえたであろう男の言葉に、物怖じする様子もなく、自らの望みを主張する小さな獣人に対して、抱いてしまった興味と、不思議に心を掴む好感は、どちらも、初めて感じるもの ]