[けれど、そうしていたのはほんの僅かの間。
堪えきれずにぶふー、と吹き出したその様子は、まるっきり、悪戯を仕掛けて、種明かしの前に笑ってしまった子供のものだった]
……っく、あっははははは!
[腹を抱えて思い切り笑い声を上げ、のけぞる。
この時点で既に随分アルコールが回っていたものだから、この椅子がリクライニングではなく、バーの細いスツールだということを忘れていた。
結果、]
――へ? うわ……!
[足の細いスツールはあえなくバランスを失い、
ぐらり、と後方に体が傾いで、椅子ごと後ろにがしゃんとひっくり返る。]