[ぴぃ──。と、高く鳥が鳴いて空を過ぎる。
蒼穹を舞う白い姿は二羽、仲良く戯れるように舞うその姿に、青年はヘーゼルの双眸を細めた。
”あれから”青年の髪は少し短くなった。
それでも隠し切れない特徴的な色の髪は、大抵頭に巻きつけた布の下に隠されてある。
手にしているのは小さな花束、亡き人に捧げるためのそれを手に、共にある
早く行こう!
[声を張って促せば、ヘルメスブルーは少し笑ったか。まったく子どものような扱いだが、腹は立たない。実際、子どものように気が急いている自覚はあった。速足はもう、駆けだす寸前にまで早くなってしまっている。]