…俺は、お前がディークを踏み台にするところを目にしなくて良かったよ。[自分の家とは違い、話の中でも仲のよさそうだった兄弟。リエヴルの事も慕っていたが、オズワルドもまた、男の中では理想の兄だった。例えディークが許したとしても。兄が弟をするところなんて見たくなかった。]―すまん、眠って貰う。[昏倒していった仲間達を、処分されるわけにはいかない。それが残った者の勤め。男は両手でオズワルドの肩を押して寝台に縫いとめ、肩口に牙を立てる。多少の抵抗があってもそれを緩める事は無く。]