[ 乗客であれど、何度も船に乗るものの顔は、
ぼんやりと記憶にあった。
いつでも変わらない顔。
それ故に、長命種であることは気づいていた。>>1:446
自分と"同じ"であることも、気を引いた原因だったのだろう。
だから。
5年前、夥しい傷を纏い、船へと乗り込んできたときは驚いた。>>1:131
爆走ストレッチャーで、
医務室へと運び込まれていたことを思い出す。
乗客であったガートルードが、
大慌てでスノウを呼んだとき、偶々通りかかって。>>1:577
伴に医務室に連れ添ったのだったか。
けれど、仕事があったから、医務室へと連れていけば、あとは船医に丸投げをして。
心配そうな顔をして、付き添っていたガートルード>>1:578 の頭をぽんぽんと撫でて。
その場を立ち去ってしまっていた。
その後の行方まで心配するほどのお人よしでもなかったため、彼がナネッテを知ることはない。
あくまで乗務員という枠を超えないだろう。 ]