[だから、死を望めずともせめてもの抵抗で、もう暫くこのまま目を閉じていてやろう。そう思っていた時、頬に温かくて優しい感触を感じた。>>73『ツェーザル、いつまで寝てるの?もう、お寝坊さんだなぁ』懐かしい声が、聞こえた気がした。]………マリア…?[狸寝入りするつもりがつい目を開けて、嘗て家族だった人の名が溢れた。目に入ったのは、警備員の制服を着た若者。分かってはいたけど、懐かしい声は幻聴だった。]