……っ、若輩者が、慣れぬことを申しました。
生意気な態度をとって、すみません。
[我に返り、慌ててクロードたちへ頭を下げる。
お忍びで入学しているというのに、
あまりに目立ちすぎては流石に不味い。
いつの間にか議論は、教室の目玉になっていたようだった。
加わってなかった学友の注意も、気が付けば此方に向いている。
周りに意識を流せば、朽葉色の髪の持ち主と視線が混じる>>5。
中性的で物静かな佇まいの生徒。
確か、フィオンと言ったか。
時折教室で垣間見せる、物憂げな表情が、
今まで飲み込んできたものの重さを垣間見せる人。
あの人もまた、痛みを伴っても立ち上がろうと、
力を、知識を得る為に、此の学館の門を叩いたのだろうか]