[青年は、呻いてはいるが無抵抗の獣の側に膝をついて。抱き上げるように上半身を持ち上げて、その首筋に口元を寄せる。優しいキスをするように口をつけ、その小さな牙を突き立てる。獣の体内を流れる命の液体がひとくち、青年の体内に移れば]……げほっげほっ!![思い切りむせた。]な、なんだこれ、色々な者の血が混ざりすぎてごっちゃごっちゃで、げほっ!なんだこいつ、何者だ?[唇の端に血の跡を付けたまま、青年は恐ろしいものでも見るように腕の中の獣を見つめた。]