――宿・雪崩の後に――
ああ――よかった。
[昨日、パン屋で見かけた少女>>91だ。
幼い彼女が無事だったことに胸を撫で下ろす。
また警戒されないだろうかと思いながらも、視線を合わせるためにしゃがみ込む。]
俺はニコラス。昨日はごめんね。
……村が、大変なんだ。大人の人を呼んでくれるか……いや、誰が無事か、教えて……
[万が一外に呼びに行っての二次災害は避けたい。
ここにいる、無事な人間を問う方がよさそうだと質問を切り替えた、その声を遮るように二度目の轟音!]
――! まず、い
[その音にはっと振り向く。
まさか。一度では済まないと――?]