――街の外。>>70>>71>>72>>73レト
[罠を避けるための巻物があると聞けば僅かに興味を示したようだが『クソ高い』と聞けば]
……それなら…大人しく罠にひっかかっておくから…いい……。
[物憂げにため息をついたのだった。もはや悟りの境地のようである。]
……? そう……。
[その後の話で出た『そこら辺の安っぽい人間』というのが何かをエルフには理解することはできなかったようだ。
デコピンをされれば「……いたい。」と軽く撫でながらそれでもぼんやりとした顔だったことだろう。
エルフは長命故に、子供を新しく作るかどうかは集落の長老がきめる。そして選ばれた番が発情の薬を飲んでやっと子供を作るのだ。
それ故に、子作りの行為というのは『安っぽい』とはだいぶかけ離れた尊いイメージを抱いていたようだが……いまこのエルフにはそのことを説明する気力はないようだ。]
…………。
[ぐぅ、と時折鳴るお腹を抱えたまま。その後は黙って手を引かれるままについていった。]