[立ち上がり、言葉を交わす青年と女性二人を眺めたところで、声をかけられ>>89振り返る。気配には聡い方であるが、一瞬気づかなかったのは不覚と言わざるを得ない。しかし、警戒は一瞬で塗り替えられた。どことなく…異なる、気配。半ば無意識に、男は被ったばかりの軍帽を脱ぎ、片手で胸元へ抱える。] …雪花。[雪花に導かれし者、と問われ、男は暫し口を閉ざす。それから、ちらり、先ほど目にした白くて冷たい物を見やった。]