――信じ、られませんわ。[何年もの間患っていたのが嘘のように、体が軽くなり、呼吸も楽になる。 目の前の得体の知れぬ男を、思わずまじまじと見詰めていた。 その視線を知ってか知らずか、男はふむと思案気に顎に手を当てて]『やはりこの術が効く症例か……。 ここに来て正解だったな、お嬢さん。私は君の病気を癒す術を知っている。 ――ただ、問題が一つあるのだ』