───行くか。[馬首を巡らせ戻り行く。携えた銃と剣が触れ合い、微かな金属音がかちと響く。男が率いるのは、フェーダ公国竜騎兵連隊である。最初に配属された実戦より遠い近衛から、射撃の腕を買われ、竜騎兵───すなわち剣と希少なる火薬銃を用い、騎馬で戦場を駆ける部隊に移ってからもう三年近く。命を受け、明日には最前線たるシュヴァルベへと赴く。かつての学び舎も、今はもう記憶の中にあるだけのはずだった*]