[刀を握る手の内に力を込めて、くるっと刃先を裏返し。獣の振り上げた腕の方の懐横から、脇腹から肩口を、逆袈裟切りに切り上げるように、刀の切っ先を閃かせる。毛皮に覆われた皮膚に届いたかは、定かではないが。] ――…大丈夫、だから…![右腕から血を滴らせながらも、刀は構えたまま。獣の斜め背後、ナネッテと対角線でゲオルグを挟める位置を取って。獣の動きから目を離さずに、案じる叫びのあった彼女に、そう応じる>>93* ]