[桜の花弁が、大きな嵐をつくりカサンドラの黄金色の髪を凪いだその時。その奥に佇む、薄桃色の髪の少女の驚きに小さく微笑みを、送った]マリエッタちゃん、こんにちは。逢えて嬉しいよ。[愉悦に双眸を細めた男の背には、カサンドラと同じ透明な羽根が。更に、傍らに抱いたレトの背からは蝙蝠羽が虚空を満たしていて。悪戯にレトの首筋へ爪を立て、滴る鮮血を舌腹で舐め取り美酒を味わい、新たな同胞となるであろう彼女の訪れを勝手に祝っていた]