― 少し変化した日常 ―
[原因不明の病が終息してしばらくして、図書館にはこれまで置かれていなかった鉢植えが一つカウンターに置かれることになった。
細い花弁を重ねた雪色の花。
かつてカウンターの奥が定位置となっていた花精の本体の写しだ。
かの司書はあれ以来、姿が見えない。
理由は分からなかったが、それが司書が選択したものだと言うのは騒動の後に知らされた。
司書が選んだ道ならば、と男はそれを素直に受け入れる]
どこ行ったか知らねぇが、ここはアイツの居場所だからな。
[いずれ図書館の管理を引き継ぐ者が現れるだろう。
そうあって尚、この花はこの場所に、と男は設置を通した。
鉢植えの傍には『棘に注意』の文字]
どっかにいるって分かってりゃ、それで良いのさ。
[目に付くところに花があれば身近に感じられるから、と**]