人狼物語−薔薇の下国

176 ねぼすけ狼とうさぎさんの黒い森


司祭 ルートヴィヒ

[湯で体を流せば、どろどろと赤い川が出来上がって、顔を顰めた。痛みがじわじわとわずらわしかったので、カラスの行水のごとく手早く入浴をすます。

薬を塗り、包帯を巻いて着替えを着る。その間に玄関があく音が聞こえたのかもしれない。>>53]

 ――こんな姿やったら、

[こんなに血のにおいをさせていては、オオカミといえども無事ではすまされぬか。現にゲルトはルートの肩を食い千切った。きっと、共食いが可能な種族なのだろう。
いつ、ローや、他のオオカミになったものが小屋に戻ってくるかもわからない。]

くそ……。

[ルートヴィヒは浴室から出ると、ローゼンハイム宅一室の窓から飛び降りて、薔薇園へと足を運んだ。

この薔薇園は迷路のようになっている。むせ返るような薔薇のにおいに、血のにおいもまぎれてくれるだろう。

くらり、とめまいがする。せめて、見つからない奥へ、奥へ。
ルートヴィヒはよろよろと薔薇園をさまよい、やがて白薔薇の咲く一角にくず折れた。
一重の薔薇が風に揺らめいてるのを見ながら、眠気にいざなわれて、目を閉じた**]

(97) 2014/04/20(Sun) 02:38:20 (sane)

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