― 少し前 ―
[ "おじさん"の寝顔を見守っていた時だったか
駆け寄ってくる女性と目が合った。>>96 ]
そんなに世界の危機!みたいな顔しなくても大丈夫
どうもこのおじさん、疲れこけて寝ちゃっただけらしいから
[ 彼と知り合いなのだか、
酷く心配している顔を見ながら
彼女の名前を頭の中の名簿から取り出そうとする。 ]
…えっと、ヴィクトリアだよね
まあ、そこにでも座りなよ
[ 漸く思い出した名前を口から出して、
自分の真向かいに座るよう、促したら
消え入るような呟きを聞いて、 ]
さあ…、僕も詳しくはわからないけど、
どうも物騒なことが起きたのは確からしいね
[ 自分は知らないのだと暗に告げれば、
もう少し言葉を交わしただろうか、やがて
ヴィクトリアが一礼して去っていくならばその姿を見送った。* ]