フン、そのようなもの……まやかしであるかもしれぬぞ?[風の中に囁かれた魔獣の声>>88に、魔王は小さく笑声を零す。 しかしその声に嘲りの色はなく] だが、……クク、如何にも。 我輩の得た財は、いずれも手放すには惜しいものであるからな。[魔王は魔獣の、真の出自を知らぬ。 ただ彼の者が語る言葉を、魔王にとって快いものであると受け止めた]