[しばし、駆けた所で足を止める。それから、ぐるりと周囲を見回した] ……ありそうな場所を虱潰しにするのは、手間か。[ここに至るまでの間、幾つかの拠点を強襲してきた。が、その大半はさしたる攻勢もないまま放棄されている。そう言った場所に戻る、というのは、余り考えられないだろう] ……そーなると、今まで見過ごして来た辺りに絞って……と。[呟きと共に、影の内から短刀を引き抜く。同時、背側に右手を回して何かを掴むような仕種をひとつ。戻した手の上には、月白色の羽がふわりと浮かんでいる]