― 湯船へ ―
[そうして身体を清めた後に再びシモンに肩を貸し。
温泉をいっそ諦めた方がいいのではないかとも
思いはしたのだけれど、当初の目的でもあった事だし。
硫黄の香りが強めの湯を肩へ一度かけてから、
大きな浴槽の端っこの方へと歩を進め。
誰もいないのだから隅へ行く必要などないけれど、
なんとなく詰めて使おうとしてしまうのは人の性。]
大丈夫か?
[転ばないように手を貸しながら腰を下ろすのを手伝いつつ、
湯の中でそっとシモンの腰を撫でておいた。
今は邪な気持ちから接触をしているわけでは無いけれど
身構えられる可能性はなきにしもあらず。]