[すぐ後ろに公子がいるのを、視界の端で確認する。>>92長柄刀の軌跡に巻き込まれるような下手は打たない人だ、と理解しているが、意識に置くようにした。気に留めれば自然と、隙をカバーするような動きが生まれる。身体ごと刃を旋回させる動作の合間、ちらと視界に入った光が気になった。公子の手指に、霜の名残のように微細な光が見えた気がする。気がしたものの、だからどうということもなく、ただ、ほんの少しだけ、カバーの範囲を広げた。]